約 4,741,114 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1415.html
「やめて、ルイズ! ここには枢機卿も、母上も、あの友達面をして寄ってくる欲の皮を突っ張った宮廷貴族たちもいないのですよ! ああ、もう、わたくしには心を許せるおともだちはいないのかしら。 昔馴染みの懐かしいルイズ・フランソワーズ、 あなたにまで、よそよそしい態度を取られたら、わたくし死んでしまうわ!」 眼前に展開する寸劇を見ながら、ブータは横で同じようにそれを見守るギーシュに問いかけた。 「ギーシュよ、なんとも芝居がかって仕方がないように見えるのは、これはわしが老いた所為かね?」 「違いますよ、ブータニアス卿。これがトリステイン流なのです」 声を潜めた師の言葉に、弟子は苦笑しつつもそれに答えた。 聞こえてくる会話から察するに、ルイズと王女は昔馴染みのようではあるが、 それでも警戒するに越したことはない。 猫神ブータの存在を極力秘密にすることはオスマンやコルベールの厳命であるし、 そもそもブータ自身がそれに賛成しているのだ。 ギーシュがそれを守らぬ法はない。 「……なるほどな」 弟子とその手に持った薔薇の造花を見やるとブータは器用にも肩を竦めた。 こやつと言いルイズと言い、どうも自分の世界に没頭する癖があると思ってはおったが、 それが国風だと言うのなら仕方がないのだろう。 なにしろ貴族の頂点に立つ筈の王族にしてからが未だにブータとギーシュの存在に気がつかないのだから。 正体を隠している身としては、アンリエッタがいる間は講義も出来ない。 仕方ないのでブータは開き直って寸劇を鑑賞することにした。 「思い出したわ! わたくしたちがほら、アミアンの包囲戦と呼んでいるあの一戦よ!」 ブータは眠そうな目であくびをして答えた。 韻が踏まれていない。20点。 「姫様の寝室で、ドレスを奪い合った時のことですね」 ブータは腹を見せて転がった。 二人しかいないのに包囲戦か? 15点。 「その調子よ、ルイズ! ああいやだ、懐かしくて涙が出そうだわ!」 ブータは丸い瞳をあっちこっちにやった。 うむ。だが心だけはこもっていよう。31点だ。 「……あ、あら嫌だ。ごめんなさい、ルイズ。もしかしてお邪魔だったのかしら?」 気づくのが遅い。落第点だ。 「そこの彼、あなたの恋人なのでしょう? いやだわ、わたくしったら。懐かしさにかまけて、とんだ粗相をしてしまったみたいね」 その言葉にルイズの顔が見事なまでに紅潮した。 そんなことは今まで欠片も考えてはいなかったのだろう。 その見事なまでの顔色の変わりっぷりに、ブータは満点を与えることにした。 「残念ですが、姫殿下。僕とルイズはいまだ友人の間柄ですよ」 にこやかに笑ってギーシュが言った。 さりげなく薔薇を握った手をアンリエッタの目に入るように動かしている。 「“いまだ”なのですか? まぁまぁ! では、わたくしはあなたの求愛を邪魔したのかしら?」 「とんでもない。いまだこの未熟なこの身としては、ルイズ姫の寵愛を受けるには役者不足もいいところです故。 今は雌伏の時期と心得、じっと華が咲くのを待ちわびているのです」 いけしゃあしゃあと心にもないことを述べるギーシュに、何か悪いものでも食ったかとルイズが白い目を向けた。 ギーシュにしても実に不思議だった。 少し前までの自分であったならば、王女殿下の前に出ただけで緊張のあまり倒れてもおかしくはなかった筈なのに。 何故だろうと心の隅で考え、あっさりと結論を出す。 平民だろうと貴族だろうと平等に接する小さな少女に感化されただけだろう。 常に自然体のルイズの姿勢は、相手が王女殿下だろうが変わらないのだから。 つまりは自分はルイズ症候群に感染してしまったということなのだろう。 「あら嫌だ、わたくしったら、まだあなたのお名前すら伺っては降りませんわ! 初めましてかしら? トリステイン王国第一王女アンリエッタですわ。 お名前をお聞かせ願えないかしら? ご立派な殿方」 「グラモン家四男、ギーシュ・ド・グラモンと申します。お見知りおきを」 「まぁ。グラモン元帥の! わたくし、元帥やその息子様方の武勇伝はよく女官たちから聞いておりますわ! 戦場のものは勿論、それ以外のものまで!」 王女はそう言いながら昔馴染みの少女を横目で見る。 生暖かい、隅に置けないわねというような言葉を言わずとも伝えるその視線に、 少女はたまらず口を開いた。 「姫さま、姫さま! 何か誤解なさってらっしゃいませんか!?」 「ああ、いいのよルイズ。あなたは既に婚約者のいる身であることはわたくしも知っていてよ。 けれど、いえ、それ故に燃え盛る想いもあることもわたくしは知っているのですから。 わたくしはいつだってあなたの味方でしてよ?」 言い募ろうとしたルイズが、何かに気がついたかの様に口をつぐんだ。 その言い方では、アンリエッタにも誰か意中の相手がいると言う風に取れるではないか。 ちなみに、ギーシュとブータは別の事で固まっていた。 ルイズに婚約者が既にいると言う件である。 「お待たせ、って、なによこの空気」 ノックもせずにキュルケが顔を出したのはそんな時だった。 室内の妙な沈黙に首を傾げる。 その後ろにはデルフリンガーを背中に担いだタバサの姿も見えた。 夕飯後の日課である素振りを終え、軽く風呂で汗を流してきたのだろう、 いつもは真白い雪のような頬が紅潮し、なんとも言えぬ色気を出している。 相方のキュルケはといえばこれはいつもどおりで、その豊かな胸を強調するような服装に、 おそらくはモンモランシー製であろう香水で大人びた魅力を演出していた。 「ちょっと、キュルケ! ノックくらいしなさいよ!」 「なによ今日に限ってうるさいわね。わたしたちの仲じゃないの」 このようにタバサとキュルケがルイズの部屋を訪れるのはほぼ毎晩のことである。 大体はギーシュが先に来ていて、その後にタバサが合流してブータの講義を聞いているのだ。 ノックについては、講義が始まった晩に主張したルイズが、 「ノックしないと困るようなことをギーシュとするつもり?」 と猫のように笑って言ったキュルケに撃沈されてから有名無実のものと化したという背景がある。 だが、今の部屋にはそれらのことをまったく知らない人間が一人いたのだった。 「まぁまぁ! 何でギーシュ殿が否定されるのかと思ったら、 ルイズ、あなたまさか女性との趣味がおありなの!?」 「ありません!」 どうでもいいがこの姫さま、ノリノリである。 「喧嘩するほど仲が良い。間違ってはいない」 「大間違いよ。……ねぇ、ギーシュ、誰よこれ。王女さまに見えるけど、もしかしてマリコルヌの親戚?」 「彼も出世したものだねぇ。きっとそう言ってあげると喜ぶと思うよ」 憮然としたキュルケと、爆笑一歩寸前に追い込まれたギーシュ。 そして我関せずと超然としたままのタバサをみた王女の目が再びの驚きに見開かれた。 「それに、それに首輪だなんて! 女同士で、その上、首輪だなんて! ああ、始祖ブリミルよ、お許しください!」 ――――それこそ、もう勘弁してやってはくれまいか。 /*/ 一向に収まらぬ騒動を見ながら、ブータは懐かしげに髯を揺らした。 今も目を閉じれば鮮やかに思い出せる。 火の国、火の山の麓に築かれた正義最後の砦を。 袴姿の少女が暴走し不潔です不潔ですと刀を振りかざす。 これはたまらんと伊達男がぽややんの手を取って逃げ出し、 電子の巫女姫が真っ赤になってそれを追いかける。 自らの背に乗った幼女がめーなのめーなのと宥め、 道化師を筆頭とした狩人たちが月の下で珍妙な寸劇を演じていた。 輝いていた過去を想い、大猫は静かに胸を叩いた。 それは既に失われ、記憶の片隅にしか残っていなかったが、 しかし彼はそれが未だ自分と共にあるのを感じていた。 そう、それはどこにでもあるのだ。 例え世界が変わり、時代が流れようとも、 自分と仲間たちが守ったモノは、守ろうとしたモノは何時だって 子供たちの笑顔と共にあるのだから。 /*/ しばしの後。 室内は沈黙に包まれていた。 原因となったのはまたしてもアンリエッタ王女の発言である。 と言っても今回のそれは先ほどのような暴走故のものではない。 「つまり、アルビオンに赴き、その手紙を受け取ってくれればいいのですね?」 総括していったルイズの言葉に、アンリエッタは小さく首を振ることで肯定した。 真面目な話をする内に先ほどの暴走が恥ずかしくなったのか、少し頬を染めている。 その姿を見ながら少女は誰にも聞かれぬよう舌打ちをした。 “ルイズのお友達なら大丈夫でしょう”などと言う王女の言葉など聞かず、 無理にでもキュルケたちを部屋の外に出すべきであったか。 これはトリステインを揺るがす一大事だ。 ギーシュはともかくも、キュルケやタバサまでも巻き込むべきではなかった。 “白の国”“浮遊大陸”アルビオン。 そこを支配する王家に関して、ルイズは複雑な想いを抱いている。 言うまでもなく、ミス・ロングビルに聞かされた過去の一件である。 それを考えれば王家に好感など持てよう筈もない。 だが、とルイズは思考を切り替えた。 ロングビルが知らぬだけで、あの件には他に何か理由があったかもしれない。 その一件のみで王家を悪と謗るのは不用意に過ぎるだろう。 ウェールズ王太子に会えれば、その件について詳しく知っている人も傍にいるかもしれない。 それに…… 「ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」 考えに沈む少女に声をかけたのはキュルケだった。 「あなたが何を考えているか知らないけれどね。この話、あたしも乗らせてもらうわ。 皇帝陛下の婚儀が、トリステインとゲルマニアの同盟がかかっているなんて聞いたら尚更よ」 そして赤毛の少女は、ギーシュの言葉を借りればルイズ症候群の感染患者であるキュルケは胸を張って言い募った。 「トリステインが堕ちれば次はゲルマニア。そしてあたしの実家の領地はトリステインとの国境よ。 そこが最前線になるなんて耐えられないわ」 「よろしいのですか、キュルケ様。わたくしはゲルマニア皇帝を裏切っているのに……」 「無論ですわ、姫殿下。これはルイズの受け売りですが、 “その力を万民のために、名も顔も知らぬ領民のためにどこかの誰かの笑顔のために使える者こそが貴族”だそうです。 そしてこのキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーは、 自らが貴族であることを常々誇りに思っているのですから」 その言葉を聞き、ルイズはそっと目を伏せて自らを恥じた。 その通り、貴族の力は自らのためではなく、名も顔も知らぬ誰かの笑顔のために奮われるべき力なのだ。 悩むことなどなにもなかったのだと。 ルイズは胸を張り、キュルケに堂々と相対した。 胸の大きさでは比べるまでもなく負けていたが、その中にあるものの大きさでは負けぬと態度で示したのだ。 「わたしの言葉を勝手に使うとはね、使用料を取るわよ、キュルケ」 「あら、世界の真理をお金に換算しようなんて、ルイズも随分ゲルマニア流に染まったようね?」 いつものようにいがみあう二人に肩を竦め、 ギーシュは首元に嵌められた猫の首輪の位置を直すタバサと目を合わせると、 仕方ないなと言う風に笑みを浮かべた。 ルイズ症候群、順調に進行中。 致死率は十割、けれど笑って死ねることだけは確実だ。 「では、僕も一枚かましてもらおう。ゲルマニア人のキュルケ嬢が参加すると言うのに、 トリステイン人の僕が静観などできないからね」 「手伝う。鍛錬の成果も確認したいし」 「にゃー」 口々に言う生徒たちを見ながら、ブータは満足げに頬を緩ませ、自らも参加すると前脚を上げた。 そしてルイズ症候群の重体患者である三人と、むしろ病原菌に近い大猫は感染源の少女に視線を移す。 うん、と頷いた少女は満足げに微笑み、主君にして幼馴染である王女に深々と礼をした。 「――――我ら四名、およびその使い魔一同、その儀、謹んでお受けいたします」 前に戻る 次に進む 目次
https://w.atwiki.jp/sstoujyou/pages/242.html
NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(1) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(2) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(3) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(4) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(5) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(6) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(11) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(13) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(14) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(15) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(22) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(25) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(27) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(32) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(36) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(41) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(44) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(46) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(49) 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 第2ターン追記 緑のオーケストラ本祭開始 原・ストライク(6) 緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(8) 8日目(夜)23 ガンパレード・オーケストラ(白)(3)
https://w.atwiki.jp/aquarianagetcg/pages/2970.html
Character Card イレイザー クリーチャー♂/ワーカー♂ 2/3/1 ▼/ドロー+1 No.2642 Rarity C Illustrator 佐嶋真実 Expansion 修行者の魂 カード考察
https://w.atwiki.jp/sstoujyou/pages/52.html
4日目・夜明け 精霊軌導弾ルート Fコース 5日目・深夜 精霊軌導弾ルート2 Fコース 8日目・昼3 精霊機導弾ルート Fコース 10日目・夕方2 精霊機導弾によるネル・シーナ救出ルート NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(56) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(59) ガンパレード・オーケストラ緑の章(63)) 緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(8) 緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(11)NOT犬ボーナス 緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(16)浮椎吾ボ-ナス1 緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(17)浮椎吾ボ-ナス2 ゲーム結果 イベント78 商店街の宝くじみたいなの
https://w.atwiki.jp/sstoujyou/pages/248.html
NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(4) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(6) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(8) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(13) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(15) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(21) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(27) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(29) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(30) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(34) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(35) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(36) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(43) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(44) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(49) 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 第7ターン RF11・ さくらつかさ ガンパレード・オーケストラ緑の章(第59.5回)源の事情。 NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(62) ガンパレード・オーケストラ緑の章(66) バレンタイン御礼・谷口スペシャル
https://w.atwiki.jp/jyugoya/pages/860.html
#blognavi Aの魔法陣ガンパレード A-DIC(α2版)が発表されました。 Aの魔法陣ガンパレード A-DIC(α2版)キャラクター作成 Aの魔法陣ガンパレード A-DIC(α2版)非戦闘ルール Aの魔法陣ガンパレード A-DIC(α2版)戦闘ルール+戦闘の実例 Aの魔法陣ガンパレード A-DIC(α2版)買い物リスト カテゴリ [お知らせ] - trackback- 2006年07月23日 12 41 51 #blognavi
https://w.atwiki.jp/sstoujyou/pages/247.html
NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(4) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(5) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(13) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(14) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(15) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(19) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(22) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(25) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(32) 世界の謎 初心者用ミニゲーム(延長決定)(スレッド1) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(36) 世界の謎 初心者用ミニゲーム(延長決定)(スレッド2) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(45) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(46) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(47) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(48) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(49) ボーナストラック ガンパレード・オーケストラ緑の章(50) 世界の謎 初心者用ミニゲーム(最後の問題)(スレッド4) ボーナストラック ガンパレード・オーケストラ緑の章(54) 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 第2ターン追記 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 第4ターン 歌月・ 磯辺 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 第9ターン 白竜・こまち 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 最終ターン alneco 雨花 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 リザルト&感想の部屋 NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(59) ガンパレード・オーケストラ緑の章(第59.5回)英吏の事情。 NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(60) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(62) ガンパレード・オーケストラ緑の章(65) ガンパレード・オーケストラ緑の章(67) 緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(7) 緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(13)まだら牛ボーナス 緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(16)浮椎吾ボ-ナス1 緑のオーケストラ本祭 原・ストライク(17)浮椎吾ボ-ナス2 12日目(昼)35 崩壊舞曲(2) 小笠原ゲームアララと火焔 全ニューワールドお見合いコンテスト、中間速報 まきの誕生日:4時間目玄霧の奮戦 ゲート開放率15% クリスマスプレゼントのお返事(7)
https://w.atwiki.jp/sstoujyou/pages/254.html
NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(6) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(8) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(13) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(15) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(21) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(27) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(29) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(30) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(34) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(35) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(36) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(43) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(44) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(49) NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(56) 斉藤奈津子(なっこちゃん)からの脱出 第7ターン RF11・ さくらつかさ ガンパレード・オーケストラ緑の章(第59.5回)英吏の事情。 NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(62) ガンパレード・オーケストラ緑の章(65) ガンパレード・オーケストラ緑の章(67)
https://w.atwiki.jp/gpo-blue/pages/20.html
中山千恵 イベントクリア条件 白の章で小島 空の、緑の章で絢爛舞踏受賞後に発生する牧原 倖の、キャライベントをクリアしたデータを連動させる 天体観測シナリオ NPC田島、NPC蔵野、NPC辻野、NPC田上、NPC飛子室、NPC古関、NPC山本、NPC篠山 のうち2名 精霊手無しで攻略可能。 青の章単体で攻略できるかは不明。 フロー 自己紹介 ↓ 食べられちゃうぞ 【選択肢】 ・だれに ・不条理な話だな ↓ 気にしない気にしない(周囲からの反応を聞いた後会話) ↓ 命名シロ 【選択肢】 ・黙って殴る ・一応、芸をやってみる ↓ 千恵すごい幸せ 【選択肢】 ・そりゃそうでしょうなあ ・こっちは不幸せだ ↓ 頑張れだーりん(周囲からの反応を聞いた後会話) 【選択肢】 ・しまいにゃしばくぞ ・お前が広めてるんだ! ↓ ほんのりサービス 【選択肢】 ・そもそも何でつっかかる ・そんなに悪い事をしたのか? ↓ ジェラシー(千恵の他に一人以上NPCがいるMAPへ進入) ↓ 私だけを見て 【選択肢】 ・なんで ・どうして ↓ 必須項目 【選択肢】 ・絶望する ・ぶっ倒れる ↓ 機嫌治してだーりん 【選択肢】 ・反省しろ ・…… ↓ 浮気したらダメだぞ ↓ 本能に目覚め出す ↓ グルンガ ↓ 悲恋劇場 【選択肢】 ・歴史で習ったなあ。あれ国語だっけ ・悲恋の歌だね ↓ 恥ずいだけでした 【選択肢】 ・うむ ・たしか昔の人も照れてたぞ ↓ 背後からの奇襲(誰もいない会議室・通信室・校舎屋上・トレーニング室・天文台下へ進入) ↓ 瞳 【選択肢】 ・奇麗だなと ・いやなんとなく ↓ 心がすり減っていく 【選択肢】 ・ひとをからかうからだよ ・…大丈夫? ↓ 振り向けば、殺す(誰もいない会議室・通信室・校舎屋上・トレーニング室・天文台下へ進入) ↓ ジェラシー2(千恵の他に一人以上NPCがいるMAPへ進入) 巨大な尖塔に鉄槌を(天体観測専用/朝のHRで【幻獣が動きだした】を聞いてから一日終了すると派生) ↓ 失敗すればいいのに(朝のHRで【幻獣がたんぽぽを狙いだした】と聞いてから) ↓ 命令違反(一日終了時) ↓ 衝撃の告白(【ジェラシー2】と【命令違反】を発生させ、朝のHRで【敵は本気を出している】を聞いてから会話) 【選択肢】 ・そうか ・……は? 【選択肢2】 ・ここで戦うか? ・そうだな、さよならだ 【選択肢3】 ・悲しげに笑う ・じゃ、逃げるか? 【選択肢4】(じゃ、逃げるか?を選択した場合派生) ・仕方ないだろう(螺旋強制終了) ・…冗談だ 【衝撃の告白】の後、中山失踪。 失踪した日の1日終了時に「その日、中山 千恵は姿を消した」と失踪メッセージが出る。 ※ただし失踪したその日のうちに戦闘が入ると、次の日以降に一日終了後の失踪メッセージが伸ばされる。 状況により、以下の3つに分岐する。 ○失踪から3日間以内に通常戦闘が発生し、普通に戦闘を終了させた場合。 倒した幻獣からプレイヤーの生徒手帳が出る→失敗 ○失踪から3日以内に戦闘が発生せず、失踪4日目を迎え1日を終了した場合。 何の説明も無く部隊から外れる→失敗 ○失踪から3日間以内に戦闘が発生し、白の空&緑のユキイベントクリア済みの場合。 中山が別の名で呼ばれる【儀式魔術】イベントが起こる→成功 ↓ 儀式魔術 【選択肢】 ・こんな時でなかったら殺しあってた ・あっ、逢いたかった! 【選択肢2】 ・選べるか!皆好きだ! ・違う! 【選択肢3】 ・抱き締める ・対抗してポカポカする 【選択肢4】 ・最後が殺しでたまるものか ・最後だよ、しまらないけど 【選択肢5】 ・帰ろう ・中山を担いで持って帰る ↓ ありがと… ↓ いいの? 【選択肢】 ・気にするな ・殺すのだけが芸じゃない ↓ 頼りにしてる(一枚絵) ポイント 好みのデートスポット:映画館 クリティカル・アイテム:生肉 初期ステータス 兵科 偵察兵 パラメータ 年齢 :15 性別 :女 体力 :90 気力 :120 士気 :110 運動力 :80 軍事 :100 世界 :135 ゴシップ:110 歴史 :85 魅力 :110 器用さ :95 アイテム 日記帳 技能 情報1 開発1 話術1 事務2 幻視1 強運1 属性 ■主属性: 主属性1:お喋り 主属性2:うるさい ■副属性: 副属性1:コスプレ 副属性2:強い憧れ ■付属性: 付属性1:プログラム技術 付属性2:計算高い 特殊ステータス なし 初期評価値 評価値ボーナスなしでの値 ±2程度のばらつきあり シマシマは2日のデータ(イベントの関係で初日は出てこない為) 中山→NPC NPC→中山 中山→NPC NPC→中山 蔵野 友情 4 79 石塚 友情 4 113 愛情 14 34 愛情 79 7 信頼 4 39 信頼 4 29 辻野 友情 4 99 佐久間 友情 4 29 愛情 9 24 愛情 -49 84 信頼 4 84 信頼 4 29 古関 友情 4 87 田島 友情 4 94 愛情 44 17 愛情 123 54 信頼 4 74 信頼 4 -94 田上 友情 4 99 小野 友情 94 123 愛情 -49 44 愛情 7 84 信頼 4 79 信頼 79 54 飛小室 友情 4 128 大塚 友情 4 74 愛情 99 24 愛情 128 29 信頼 4 49 信頼 4 74 山本 友情 4 148 永野 友情 4 0 愛情 9 9 愛情 14 0 信頼 4 74 信頼 4 -24 中山 友情 - - 武田 友情 4 74 愛情 - - 愛情 19 7 信頼 - - 信頼 4 -54 篠山 友情 4 74 松尾 友情 4 34 愛情 54 4 愛情 -54 9 信頼 4 19 信頼 4 39 都 友情 4 29 嶋 友情 4 4 愛情 99 4 愛情 9 4 信頼 9 74 信頼 4 4 大迫 友情 4 24 鈴木 友情 4 44 愛情 49 7 愛情 74 183 信頼 9 69 信頼 4 49 シマシマ 友情 0 0 - 友情 - - 愛情 -48 0 愛情 - - 信頼 -53 0 信頼 - - 原 友情 0 2 若宮 友情 0 2 愛情 -49 4 愛情 -49 4 信頼 -99 1 信頼 -99 1 森 友情 0 2 茜 友情 0 0 愛情 -49 4 愛情 -49 0 信頼 -99 1 信頼 -99 0
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1911.html
その日は、端的に言って良い天気だった。 日差しは暖かく、風は心地よい。 かつては錬兵場だったという中庭に寝転がり、 ギーシュは実に楽しそうに頬をほころばせた。 風の魔法で切り裂かれた肌は痛み、吹き飛ばされた際に打ち付けた腰からは未だに鈍痛が響いて来るが、 それら全てを帳消しにしてなお余るほどの爽快感が彼を包んでいた。 「……なに笑ってんのよ」 声とともに、逆さまになったルイズの顔が視界に入った。 昨日と同じ乗馬服姿なのを見てほっと息をつく。 この爽快な気分を、婦女子の下履きを覗いたなどという下世話な喜びで汚したくはない。 最もブータに跨るようになって以来、ルイズがスカートのような服を着たのは舞踏会の時だけなのだが。 「なにと言われてもね、ルイズ。それは楽しいからに決まっているじゃないか」 「楽しいって、ワルドに負けたのに? あんたそんな趣味だっけ?」 「どんな趣味よ、ルイズ。いくら幼馴染だからって、アンリエッタ王女みたいなこと言わないでよ」 笑いながら会話に入ってきたのはキュルケである。 こちらはルイズと違ってギーシュの言い分を理解していると見えて、 よくやったとでも言いたげな目をしている。 「あんただって、ブータの講義は聞いてるでしょうに。 大局的勝利と個人的勝利は違うってこの間習ったでしょう。忘れたの?」 「憶えてるわよ。 ……ええと、勝負に勝って試合に負けるっていうあれでしょ。 つまり、ギーシュは決闘には負けたけど、目的は果たせたってこと?」 まさにその通り、とでも言いたげに猫が喉を鳴らした。 弟子の成長具合に満足が行ったのか、ご満悦な顔でタバサに喉を撫ぜて貰っている。 そもそも、学生で未だドットメイジにすぎないギーシュが、 軍人でスクエアメイジのワルドに決闘で勝てるわけがないのである。 ブータの元で戦術を学んだギーシュがそれに気づかぬ筈がないのだ。 「で、その目的ってなによ」 「なに、簡単なことだよ。 初めて会った時から、あの子爵殿のすました顔を、 思い切りぶん殴ってやりたいと思っていたのでね」 その答えに、ルイズはまじまじと彼の顔を見詰め、 次にキュルケ、タバサ、ブータと視線を移して、 最後にもう一度ギーシュに目をやると深い深いため息をついた。 「前から思っていたのだけれど」 「うん?」 「ギーシュ、あんた、実は馬鹿でしょう?」 そうかな、とギーシュは笑った。 そうかもしれない。いやきっとそうだろう。 なにしろルイズ症候群の重症患者だ。利口な筈がない。 まてよ、すると感染源であるルイズはどうなのだろう。 罹患者が馬鹿なら、さしずめ感染源はそれを上回る大馬鹿に違いないのだが。 「しかしだね、ルイズ。考えても見たまえ。 グリフォン隊の隊長殿を殴って、しかもお咎めなしだなんて機会はそうそうないだろう? ならばこの機を逃さず、と思っても仕方がないとは思わないかい?」 ルイズはがくりと肩を落とすと、疲れたような表情で口を開いた。 「前言を撤回するわ、ギーシュ。 あんた間違いなく馬鹿だわ。それもただの馬鹿じゃなくて、大馬鹿よ」 /*/ 一体なぜこんなことになったのだろう。 元東薔薇花壇騎士団団員にして現北花壇騎士八号ことバッソ・カステルモールは、 王宮の廊下を歩きながらもはや何回目になるか解らぬ自問を再び繰り返した。 「姫殿下、もうそろそろ」 「黙りな、カステルモール。 よもやお前、この国の王女であるわたしに、裸足で王宮を歩けと言うの? それとも、わたしを連れて馬車まで行くにも事欠くほどの体力しかないとでも? 誉れあるわたしの騎士であるお前が?」 いえと否定する。 カステルモールとて、厳しい訓練を潜り抜けてきた騎士団の精鋭である。 従姉妹であるシャルロットよりは肉付きがいいとはいえ、 未だ発育途上の少女でしかないイザベラを抱き上げて馬車まで運ぶのは困難なことではない。 むしろ辛いのは、無遠慮ではなく、しかし確実に彼に突き刺さる周囲の宮廷雀たちの視線である。 だがそれもしかたがあるまい。 一国の姫君をお姫様抱っこして王宮を闊歩する騎士など、それこそ詩人の歌の中にしか存在しないのだから。 溜息を押し殺し、そっとイザベラの顔に目をやる。 それに気づいたか、ふんと鼻を鳴らして少女がそっぽを向いた。 その頬の赤みに、やはりまだ怒っておられるのかと密かに嘆息する。 先ほどの父王との会見では望みの答えは引き出せず、無理やり連れ出されたせいで靴はどこかに行ってしまった。 裸足で歩くわけにもいかぬから抱き上げて運べと命令したのは彼女自身だが、 自尊心の高い少女にとっては、それこそ子供でもないのに抱き上げて運ばれるのは不快なようで、 先ほどから頬を不満げに紅潮させ、カステルモールの方を見ようともしない。 それなのに時々目が合うのは、きっと抑えきれぬ怒りにこちらを盗み見ているからなのだろう。 そもそも自分はこの姫には嫌われているのだ、とカステルモールはしみじみと思った。 ことの始まりは数ヶ月前のことである。 ある領主がイザベラを狙うために地下水と呼ばれる傭兵メイジを雇ったという事件があった。 その際、あろうことか王女は従姉妹であるシャルロットを影武者としてその領主の館に乗り込んだのである。 それ自体は冤罪であることが後に判明するのだが、領主の誕生日を祝う園遊会である珍事が発生した。 酒に酔ったのか何者かの魔法なのかは本人が口をつぐんでいるため不明だが、 突如としてイザベラが舞台上にあがり、全裸で踊りだしたのである。 騒然として混乱の渦中に叩き込まれた会場の中で、いち早く自分を取り戻したのがカステルモールであった。 何しろ彼の認識としては、イザベラの姿をしているのは真実の主君たるシャルロットの筈なのである。 その主君の痴態をそのままにしておくことなど、忠義の騎士たる彼には不可能であった。 慌てて近くにあったテーブルの布を引っつかんで舞台に上がり、 裸の王女を抱きかかえて人目のつかぬ場所に強引に連れて行ったのである。 ようやくそこで自分が連れ出したのがイザベラ本人だと気がついたが、もはや後の祭りである。 布で申し訳程度に身体を包んだ王女は、まだ赤みの抜け切らぬ頬で、上目遣いに涙を湛えて言ったのだ。 「わたしの裸を見た責任、取ってもらうわよ」と。 これは仕方がないと腹を括り、任務後に宿舎に戻ると同時に身辺の整理をする。 王位の簒奪者の娘に断罪されるのは業腹だが、 騎士として、いや男として一人の女性に責任を取れなどと言われては逆らえぬ。 騎士団長に出頭を命じられ、除隊を命じられた時も動ぜずに受け入れられたものである。 続いての北花壇騎士団入隊の命令に首を傾げ、ややあってなるほどと頷いた。 つまりはシャルロットと同じように、危険な任務で死亡するのを待とうと言うのだろう。 考えてみれば、処分しようにも先の出来事は充分に醜聞である。 嫁入り前の少女にとってはまさに致命的だ。表沙汰にはできぬ。 故に任務上での自然死を装うつもりなのだろう。 いいだろう、と笑みが浮かぶ。 如何にイザベラとても早々危険な任務ばかり用意はできまい。 その一部を自分が引き受けると言うことは、同時にシャルロットに回される任務が減るということである。 ならばこの身を楯として、真の王位継承者をお守り申そう。 「姫殿下、馬車に着きましたので」 「また抱き上げるのは大変だろう? それともカステルモール。まさかわたしが重いとでも?」 「いえ、滅相もございません。 姫殿下は羽のように軽うございます」 だが、その決意が失望に変わるのに早々時間は要らなかった。 任務を言い渡されることもせず、ただ我が侭なイザベラの護衛として過ごす日々。 あるいは自分を飼い殺しにする為に部下にしたのか。 きっとそうだろう。 騎士としての名誉ある死を与えず、今日のような恥辱を与えて溜飲を下げているに違いない。 ところが、周囲はそうは見ていないようで、古巣にいる昔馴染みの騎士仲間と酒を呑んだ時にそう洩らしたら、 世界が終わったかのような顔で無理矢理にその場にいた全員に酒を呑まされた。 あれは未だに謎である。 「姫殿下。お部屋に着きました。 姫殿下?」 イザベラの私室に入り、長椅子にその身体を下ろす。 先に申し付けていた侍女が替えの靴を持って入ってきた。 心ここにあらずといった感じで靴を履くイザベラに、侍女も不思議そうな顔を一瞬だけしたが、 視線を王女の騎士に移すと、さもおかしそうに笑って退場した。 何がおかしいのかと首を捻るカステルモール。 それにしてもこの男、朴念仁にも程がある。 「――――決めたわ、カステルモール」 ややあって、考えに沈んでいたイザベラが顔を上げた。 家令を呼び、北花壇騎士に与える任務がしばらく無いことを確認すると、 猫のようなにやにや笑いを顔に浮かべる。 「父上は言ったわ。 成果を上げれば文句はないと。 なら、何をしようが成果を上げれば文句はないってことね。 王の言葉は守られなければならないもの」 「成果、でございますか」 そしてイザベラは胸を張り、わがまま王女の面目躍如たる言葉を口にした。 「用意なさい、カステルモール。 ふ、二人で今すぐアルビオンに向かうわ。 アルビオンで、あのガーゴイル娘がなにをしようとしているのか確認するのよ。 もしもよからぬ企みをしているのなら、わたしのこの手で叩き潰してやるんだから」 真っ赤な顔でそう言う王女を見つめ、カステルモールは密かに嘆息した。 ああ、まだ怒っていらっしゃる、と。 今回の没ネタ。 シェフィールドが父ジョゼフの使い魔だと知ったイザベラ。 「か、勘違いするんじゃないよ。 こ、これはただのコントラクト・サーヴァントの儀式なんだからね」 (契約で縛らないと安心できぬほど、わたしが信用なりませんか、姫殿下) その日から、毎朝毎晩コントラクト・サーヴァントの呪文を唱える少女の姿が見られたという。 とっぺんぱらりのぷぅ 前に戻る 次に進む 目次